2012年10月07日

ドラッカーのマネジメント 基本と原則(3)----- われわれの事業


1.われわれの事業は何か

 企業の目的としての事業が十分に検討されていないことが、企業の挫折や失敗の最大の原因である。
逆に、成功を収めている企業の成功は、「われわれの事業は何か」を問い、その問いに対する答えを考え、明確にすることによってもたらされている。

 企業の目的と使命を定義するとき、出発点は一つしかない。顧客である。
顧客の価値、欲求、期待、現実、状況、行動からスタートしなければならない。
企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見なければならない。

 事業は、顧客が財やサービスを購入することにより満足させようとする欲求によって定義される。顧客を満足させることこそ、企業の使命であり目的である。


2.顧客は誰か、何を買うか

 個々の企業の使命を定義する上で、「顧客は誰か」という問いがもっとも重要な問いである。

 ほとんどの事業は少なくとも二種類の顧客を持つ。中間業者と最終消費者などである。顧客によって、期待や価値観、買うものも異なる。

 1930年代の大恐慌のころ、GMはキャデラックを輸送手段としてではなくステータス・シンボルととらえて製造販売し、大成功を収めた。


3.われわれの事業は何になるか

 大きな成果をもたらした事業もやがて陳腐化する。
企業に関わる定義のうち、50年どころか30年でさえ有効なものはない。せいぜい10年が限度である。

 マネジメントは、自分達の事業のもつ性格、使命、目的に影響する環境の変化が認められるかを考えなければならない。
また、その予測を、事業の目的、戦略、仕事のなかに現時点でいかに組み込むかを考えなければならない。

その検討の出発点は市場動向
(1)購買力、購買習性、労働力に影響を与え、唯一予測可能な人口構造の変化
(2)経済構造、流行と意識、競争状態の変化による市場構造の変化
  競争状態については、顧客の製品観やサービス観に基づいて明らかにする。
  直接の競争だけでなく、間接の競争についても明らかにする。
(3)現在のサービスで満たされていない欲求は何か


4.われわれの事業は何であるべきか

 現在の事業をまったく別の事業に変えることによって、新しい機会を開拓し、創造することができるかもしれない。
考慮すべき要因は、社会、経済、市場の変化、自らによるイノベーション、他者によるインベーションである。


5.事業の定義と行動

 「われわれの事業は何か、何になるか、何であるべきか」を決定するうえで不可欠のステップとなるものが、既存の製品、サービス、工程、市場、最終用途、流通チャネルの分析である。
・それらのものは、今日も有効か、明日も有効か
・今日顧客に価値を与えているか、明日も顧客に価値を与えるか
・今日の人口、市場、技術、経済の実態に合っているか
・有効でなければ、いかにして廃棄するか、努力を中止するか
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2012年08月24日

ドラッカーのマネジメント (2)----- 企業とは何か


1.企業=営利組織 ではない

利益は、個々の企業にとっても、社会にとっても必要である。
しかし、それは企業や企業活動にとって、目的ではなく条件である。
利益は、意思決定する場合の妥当性の判定基準となるものである。

企業の存在理由は、利潤動機によるものではない。
それが利潤動機であるとする考え方が、利益に対する誤解と敵意を生じさせ、企業の本質、機能、目的に対する誤解をを招き、公共政策の最悪の過ちをもたらしている。
利益と社会貢献は矛盾するものではなく、高い利益をあげて初めて、社会貢献を果たすことができる。


2.では企業の目的とは何か

企業の目的の定義-----顧客を創造すること。顧客の欲求を満足させること。

企業が市場をつくる。
企業は、すでに欲求が感じられているところへ、その欲求を満足させる手段を提供する。潜在的な欲求である場合は、有効需要に変えられて、初めて顧客と市場が誕生する。

企業とは何かを決めるのは、顧客である。なぜなら顧客だけが、財やサービスに対する支払いの意思を持ち、経済資源を富に、物を財貨に変えるから。

顧客が価値を認め購入するものは、財やサービスそのものではない。財やサービスが提供する「効用」である。


3.企業に成果をもたらす機能

企業の目的は顧客の創造であるから、企業の持つ二つの機能、マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。

3-1.マーケティング-----顧客の欲求は何か、を考えること

これまでのマーケティングは、販売に関する全職能の遂行を意味するにすぎなかった。自分達の製品からスタートし、自分達の市場を探していた。
真のマーケティングは顧客からスタートする。現実、欲求、価値からスタートする。

「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を問う。
「われわれの製品やサービスにできることはこれである」ではなく、「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」を考える。

マーケティングの理想は、販売を不要にすることであり、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。

3-2.イノベーション-----新しい満足を生み出すこと

より良く、経済的な財とサービスを提供するにはイノベーションが必要。
イノベーションの結果もたらされるものは、より良い製品、より大きな或いは多くの便利さ、より大きな欲求の満足である。

イノベーションは、発明や技術だけに限らない。経済的な社会的なイノベーションはさらに重要である。

イノベーションにより、人的資源や物的資源に対し、より大きな富を生み出す新しい力がもたらされる。社会のニーズを事業機会として捉えなければならない。


4.生産性を向上させる要因

@ 知 識
   -----正しく使うときもっとも生産的。逆の場合は、もっとも高価で生産的でない資源となる。
A 時 間
   -----もっとも消えやすい資源。大事に使う必要あり。
B 製品の組み合わせ(プロダクト・ミックス)
   -----各資源を組み合わせる。
C プロセスの組み合わせ(プロセス・ミックス)
   -----企業活動のどの部分を自社でやるか外部企業にまかせるかの選択
D 自らの強み
   -----どこに自社の強みがあるかを判断し、特化する。
E 組織構造の適切さおよび活動間のバランス
   -----構造が不適切、バランスが取れていないとマネジメントが機能しない。


5.利益の持つ機能

利益は原因ではなく結果
マーケティング、イノベーション、生産性向上の結果手にできる

@利益は成果の判定基準
A利益は不確定性というリスクに対する保険
B利益はよりよい労働環境を生むための原資
C利益は、医療、国防、教育、オペラなど社会的なサービスと満足をもたらす原資

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2012年08月22日

ドラッカーのマネジメント (1)----- マネジメントの役割

組織が存在するのは、組織自体のためではなく、社会、コミュニティ、個人のニーズを満たすためである。
その意味で、組織は目的ではなく手段である。

したがって問題は、「その組織は何か」ではなく、「その組織は何をなすべきか、その機能は何か」である。

それら組織の中核となる機能がマネジメントである。したがって次の問題は、「マネジメントの役割は何か」である。

@ その組織特有の目的を果たす。成果をあげる。
A 仕事を通じてその組織で働く人達を生かす。
B その組織が社会に与える影響を処理し、社会の問題解決に貢献する。
C 常に現在と未来、短期と長期を見て、上記項目を管理する。
D 起業家の視点で、取捨選択を行う。
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2012年08月20日

ドラッカーのマネジメント (0)

何度読んでも分かったようで分からない。何度、と言っても全体の四分の一位のところから進まないのですが・・・。私にとっては、結構難解な文章です。
「『もしドラ』のみなみが読んでいるのは、この本です!」という帯が付いている以下の本の話です。
恥ずかしながら私は、著者のドラッカーが2005年に他界されていたことも知りませんでした。

ピーター.F.ドラッカー著 上田惇生 編訳
【エッセンシャル版】マネジメント 基本と原則  ダイヤモンド社

自分が理解することを目的として、今後何回かに分けてエッセンシャルのエッセンスを抽出したいと思います。前を向いて進んでいくために。
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